「住み慣れたわが家で過ごしたい、家族と一緒にいたい」という気持ちをかなえたい。
初期研修医の修了後、私は大学病院で外科医になりました。肺の手術をする外科医です。患者様と病棟でお話をしていると、ほとんどの方が「具合が良くなったら、早く家に帰りたい」と仰っていました。
しかし、手術が終わってやっとの思いでご自宅に帰った患者様が「呼吸が苦しい、痛い」と、再び入院せざるを得ないお体の状態になって病院に戻ってくるという、つらい状況をたくさん見てきました。
そこで私は「できるだけ家で過ごしたいと思う患者様の気持ちをかなえたい」という思いから、専門的な緩和ケアを学ぶべく、外科医を辞めて麻酔科医になりました。
また、在宅医療を行っていくなかで、認知症の症状でお困りのご家族、施設職員の方々もたくさん見てきました。「認知症なのだから仕方ない、我慢しなければならない」と、大変な思いをしている方々を、少しでも助けたいと考えるようになりました。
物忘れの症状は、現代の医療では治すことが難しいとされています。しかし、認知症の周辺症状(behavioral and psychological symptoms of dementia:BPSD)と言われる、性格変化、介護抵抗などは、お薬やケアなどで和らげることもできます。緩和ケア、認知症治療は両者とも専門的な治療になりますので、少しでもお困りのことがあれば当院にご相談ください。
地域の皆様の思いに寄り添い、一人ひとりに合わせた「丁寧な医療」を提供したいと考えています。
院長 三戸 順子(さんのへ じゅんこ)